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日志


3月17日

田の心

今日は、2普及センター合同のぶどうの研修会。
多くの方が出席されていました。
 
講師は、県内の有数の栽培者のFさん。
 
 
実は、私はFさんのぶどう園で今年、「省力房づくり」の取り組みを調査研究させていただいていました。
 
Fさんは、独自の技術で、房づくりを省力化し、すばらしいぶどうをつくられていました。
そのFさんの房づくりのステージを、作業時間と品質調査で分析していました。
 
私が、今年度の試験成績結果の概略をパワーポイントで説明し、それからFさんの講演が始まりました。
 
 
Fさんは、「私の省力栽培技術」というタイトルで話されるので、てっきり、「省力房づくり」のお話だと思っていました。
でも、話の内容は違っていました。
 
 
「省力とは何か・・・。よいぶどうを多くの面積で経営し、収益を高め、みなさんに喜んでもらうことです。」
 
 
そして、防除方法、踏み台、はさみの使い方、袋かけの仕方、枝葉の管理、主枝の誘引の仕方、箱の選定、発送方法・・・・・。
 
それから、やっと最後に房づくりの仕方の話でした。
 
Fさんは常に、「ぶどう栽培を通じて、みなさんのお役に立てることが夢です」と言われていました。
そのために、おいしい。新鮮。安心なぶどうを消費者の方に提供していきたい・・・と。
 
その理念の中に方法として「省力化」があったのです。
 
 
さらに、省力化とは、経営すべてをバランスとして眺めながら、それぞれの部分で考え、取り組んでいくこと・・・・。
 
その部分が、房づくりだけではなく、多くの部分で考えられていたのです・・・。
 
これって、私がいつも考えている集落営農と通じるところがありますよね。
目的を持ち、その目的を達成していく手段として、いろいろな方法がある・・・。
 
私は、いつも、偉そうなことを言いながら、「房づくり」といった一部分だけを見ていました。
今日は完全にFさんに教えられてしまいました。
 
このFさんは、常に自分が思う理想のぶどうを携帯の待ち受け画面に入れ、常にそれを一年中見られています。
いつも頭の中で、イメージされています。
そして、お茶碗もお箸も全て、ぶどうの絵の入ったものを使われているとか・・・・。
 
そして、最後にこんな言葉を言われました。
 
「思うとは、田の心と書きます・・・・。田んぼから家に帰っても、田んぼのことを常に考えていることなのです。私は田ではなくぶどうです・・・。」
 
「これがいいと思ったら、すぐ、やりませんか。私達は、1年に1回しかテストできないんですから・・・」
 
本当にいいお話でした。
幅広く考える・・・さすがにプロです。
 
9月8日

ぶどう品評会

今日は、M市ぶどう品評会でした。
 
市内の産地や農家から、選りすぐりのぶどうが出品されました。
 
私は、審査委員を依頼されました。
 
審査後、審査講評を求められました。
 
まず、一つ目は、感じたことです。
 
「第41回」こんなに長く続いているぶどうの品評会はないこと。
 
これは、生産者のぶどうに栽培に対する自信と誇りの現れであり、関係機関との一体的な取り組みであること。
 
 
二つ目に、審査基準として、「消費者に好まれるぶどう」、「これがM市のぶどうとして胸をはれるもの」
 
これは、大きさは500g前後。着色、粒の張り、病害虫の有無、姿・・・・。
いずれにしても、「おいしくて」、「粒張りの良いもの」です。
間違っても、大房ではないのです・・・。
 
そして、最後に、「多くの素晴らしいぶどうが出品されていました」
そう、年々、品質が向上してきているのです・・・・。
そのことを、話しました。
 
 
 
ぶどうは、かきやくりのように、「なる」ものではありません。
 
鋏を入れないと、1kg以上の房になります。
そうならず、おいしい味が出せるように、わざと鋏で小さくします。
 
これは、とても勇気の要ることです・・・・。
 
そのためには、今のことよりも、将来のことを考えることですね。
 
「ぶどうはつくるもの」
 
 
品評会終了後、あるぶどう団地の組合長さんに「すごくいいのが、たくさん出品されていますね」と話しました。
すると、大変喜ばれました。
 
きっと、良い房をつくるために、団地全体で本当に努力されてきたのだと、すぐにわかりました。
そして、
 
「Mさん、午後の表彰式には、入賞した人、全員、賞状をもらいに来てもらいます」、
「ほとんどが、奥さんですが・・・」
と言われました。
 
いつもぶどう園でご苦労の多い奥さんに、賞状をもらう喜びと、
他産地から出されているぶどうを、見てもらいたいとのことです・・・。
 
きっと、このぶどう団地は、今後も発展していくことでしょう・・・。
人を育てようとされている姿勢が伺えます。
 
 
 
 
明日は徳島県で研修会。
少しでも、お役に立てればと祈ります・・・・。
 
8月30日

県くり研究大会

 
「私の園は、今、成園率が85%です。数年すれば、100%になります。しかし、私は成園率を常に80%にしていきたい。」
 
これは、今日、S市で行われた県くり研究大会の発表者の意見でした。
 
 
普通の農業者であれば、早くすべての樹が大きく成園になり、多くの収量を得たいはずです。
 
「私は、常に消費者や加工業者から求められるくりを栽培していきたいと思います」
 
「そのためには、20%の部分を試作とかこれからの準備の部分としておいておきたい」
 
 
と話されました。
 
なんて、素晴らしいことでしょう。
 
 
 
このことは、何でもあてはまることです。
 
100%の自分ではなく、常に20%は明日のためこれからのため、準備や余裕の部分が大切です。
 
集落営農組織もそうですね。
 
「常に80%」
 
 
今日はパネルディスカッションのコーディネーター。
あらかじめ準備した検討事項は最後まで進みませんでした。
 
その理由は、会場から多くの意見が出たのです。
 
少し、不細工なディスカッションですが、私はあえて会場からの質問や意見を多く求めました。
 
その結果、誰一人眠る人はおられませんでした。
みんなが主役です。
 
そして、終了後、主催者から「今日はいい大会でしたね・・・」と言っていただきました。
 
リップサービスではなく、私も、研究会員のための研究会になったと思っています。
 
多分、残された課題は、来年のディスカッションに引き継がれるでしょう・・・。
今日も、自分流をやってしまいました・・・。
 
2月28日

くりきち

今日は、資料整理と栗研修対応・・。
 
今日は、技術センターに丹波栗のスペシャリストの方々が20名あまり見えられました。
 
午前中は、試験圃場の見学。
 
午後は、病害虫担当の研究員から「実タンソ病」や「クリシギゾウムシ」の防除法。温湯処理の試験成績などを聞かれました。
その後、果樹担当の研究員から「超低樹高栽培」や「潅水試験」などについて学ばれました。
 
そして、引率のK普及員が、栽培の留意点を話されました・・・・。
 
というか、実は、私はK普及員さんに意地悪なことをしました。
そう、わざと、みんなの前でお話するようにお願いしました。
 
なぜ?
 
それは、最近、農家から聞かれると、すぐに電話やメールで尋ねてくる普及員。
講習会や研修会になると、講師として研究員や専技を招き、場をつくる普及員。
 現場が怖い普及員・・・。
 
ほんの一部ですが、そんな普及員も増えてきました・・・。
 
K普及員はりっぱな普及員で、けっしてそんなことはないのですが、他の普及員のこともあり、わざとしました。
 
でも、うまく話されていましたね・・・。(笑)
 
そして、最後にやはり順番が回ってきました。
 
私は、病害虫や栽培も先に話されていたので、今日の今までの研修会でのふり返りと、果樹栽培の今の厳しい状況。そして、生き残るためには、何が必要かをみんなで考えていただきました。
 
つまり、一般に農作物は、「おいしい」、「安全・安心」、「珍しい」、「安い」・・・など、いろいろなポイントがあります。
 
そういった中で、「丹波栗には何が求められているか」・・・・を考えていただきました。
 
その材料として選んだのは、実は、昨年、今日来ているK普及員が、消費者や生産者に行ったアンケート結果でした。
 
答えは、その中にあったのです。
 
消費者に求められているのは何か。
 
その答えは、「大きい」、「虫食いでない」、「銀寄」(丹波栗の代表品種:江戸時代の飢饉のとき、京に出荷して銀札を集めた品種)。
 
では、「大きい栗を作るには?」、「虫食いを防ぐには?」・・・・どうすればいいのですか?
 
そうすると、「剪定」、「防除」、「肥料をやる!」といった声が出てきました。
 
一度、声が出始めると、雰囲気が和らぎますよね。
 
ワークショップで言いましたが、「アイスブレイク」つまり、みんながうち解けると、半分は終わったようなものです。
 
何のために、今の作業が必要か・・・そのことが理解されれば、自主性が高まり、研修の半分は終わりです。
あとは、技術を学ぶ意欲も高まり、やる意欲も出てきます・・・。
 
その中で、このアンケートのなかで、おもしろいアンケート結果がありました。
 
それは、回答者40名のうち、66%が70歳以上で、60歳以上になると実に栽培者の84%になります。
つまり、丹波栗は高齢者が栽培されています。
 
そして、次に「栗栽培のイメージ」の設問では、なんと78%が「明るい、意義がある」と答えられているのです。
多分、他の作目や樹種では・・・「つらい、やめたい」がほとんどであると思われます。
 
このことは、「くりきち」つまり、栗に気が狂っている・・・と言われるほど、熱心な方が多いことが現れています。
 
私は、最後にこのデーターを示し、「一人でも多く、くりきちになりましょう」と言いました
 
帰られてから、K普及員からメールが届きました。
 
「帰りのバスの中で、一人一人から感想を言っていただきました。とてもいい研修会でした・・・」と。
 
みんなから誉めていただける研修を企画し、引率した普及員にまず、エールを送りたいものです。
 
「氷がとけると・・・」
 
氷がとけると何になるのでしょう?
 
水になる?
 
うち解けた雰囲気では、春になるそうです。
もうすぐ、春ですね。
 
集落営農も果樹も、基本は同じ。
みんなが、明るい夢を持つことですね。
 
2月21日

海外普及員研修

今日感じたことは・・・・。
 
今日は、海外の普及関係者に日本の技術(スペシャリスト)指導の実際について、話しました。
 
事例として、現在の果樹栽培の状況、それから、荒廃しつつあった栗産地に対する普及活動のアプローチ、その結果を事例として話しました。
 
「私達は、価格では勝てない。だから・・・・」と、実際に、丹波栗を昨日、圧力鍋で蒸し、持参しました。また、母に丹波黒大豆を煮豆にしてもらい、食べていただきました。
 
その大きさと、おいしさに驚かれていました。
 
また、後継者がいない問題などを、実際のアンケート結果で話しました。
 
そこで感じたことは、「日本の普及活動体制やシステムはしっかりしている」と、改めて感じたことです。
 
たとえば、問題点の把握と取りまとめ方法。
 
そして、その解決策の計画性。
 
さらには、その活動手段や方法。
 
また、組織体制や身分保障など・・・。
 
研修員の方にお話しする中で、改めて、私自身が、今の普及体制のすばらしさを感じました。
 
言い換えると、海外では、まだまだ、農業、農村振興に普及が支援することが多い中で、これらの普及活動に対し、十分な体制や活動が行われていないと感じたのです。
 
そして、私達は、こういったこともさらに支援していくことが重要だと思いました。
 
 主に、講義は一枚のスライドを見ながら、「あなたならどう解決しますか?」といった質問形式で深めていきました。
 
そのとき、毎回出てくる意見が「補助すればどうか・・・・」という意見です。
なんでも、問題に行き当たると出てくる答えが・・・・これです。 
 
私にとっては、「想定内」です。
 
そして、日本の普及が、現状を十分に把握し、物ではなく「人」を対象に普及活動をしていることを話す中で、普及事業の重要性とスケールの大きさを理解していただいています。
 
 
今日、最後に「あなたのような熱い思いはどこからうまれてきたのか?」といった質問には、思わず閉口しました。
 
私は、そのときに「地域への思い入れです」と答えました。
 
しかし、帰りながら考えるとき、それ以上に、研修、そして、先輩方や職場のみんなの姿から学ぶことが多かったのではないか・・・・そして、家族や現場での姿を見ながら育ってきたこともあるのでは・・・・と、いろいろな要素を考えていました。
 
 
今、日本の普及事業は、厳しい場面を迎えていますが、この事業が築かれ、果たしてきた役割は大きいと思います。
 
そのことを、再度、見直し、これからも、「人」を対象に取り組んでいくというスタンスだけは、失ってはいけないと感じました。
 
「温故知新」
 
明日は、地域振興(集落営農)について話します。
これを、海外の方にわかりやすく話すのは、すごく大変です・・・。
 
さあ、今から準備です。
今日は、ゆっくり寝なきゃ・・・。
 
2月18日

北摂栗

今日は、第1回北摂栗生産者大会が開催されました。
 
「丹波栗」は有名ですが、「北摂栗」という名前を聞かれたのは初めての方も多いと思います。
「北摂栗」は、実は1,000年以上の歴史があり、丹波栗で有名な「銀寄」もこの北摂地方が原産です。http://www.city.kawanishi.hyogo.jp/topics/news/2005/051004.htm
 
江戸時代には、「丹波栗」として江戸にも送られていたそうです。
 
そうした中で、「北摂栗」を復活させようといった取り組みが生産者、関係機関から始まり、今日はその記念すべき第1回目の生産者大会でした。
 
感想は・・・。
 
この取り組みは、これまで、2市1町が別々に取り組まれていた取り組みを、ひとつの組織に集約し、共通の目標のもと、関係機関も一体で応援しようとする、画期的なものです。
 
10月の栗品評会時の消費者アンケート結果や現在の問題点とこれからの取り組み目標なども紹介され、内容的に優れた大会でした。
 
しかし・・・・全体的に内容を詰め込み過ぎ、かなり時間オーバー・・・。
そして、最後の方では感心が薄いのか、眠られている方も・・・。
 
そこで私に回ってきました。
 
私は、舞台ではなく、みなさんの座られている前で、開口一番、
 
「今日は記念大会ですので、果樹の素晴らしいお話をすべきですが、あえて、厳しいお話をします・・・」と前置きし、
栽培面積、栽培戸数、価格推移、市場取扱量、輸入量、品種の変遷、後継者の有無の調査結果値など、果樹栽培の厳しい現状をパワーポイントで示しました。
 
すると、みんながそのデーターを見始めました。
そして、いつの間にか、みなさんの姿勢が前向きになっていました。
 
誉めるのではなく、身近な問題点を指摘し、気づかせることにより、姿勢が聞く姿勢から考える姿勢に変わりました。
 
次に、消費者の方々が望まれる「良い栗」が有利に販売されている事例を紹介し、消費者の視点から望まれる栗栽培について話しました。
 
大きな栗は儲かる。では、どうすれば儲かる栗ができるのか・・・・さらに興味ある姿勢から、目が光ってきました・・・。
 
 
そして、荒廃が進む産地の中で、「地域の栗は地域で守り育てよう」と、平成5年から篠山市で取り組まれている「栗剪定士」のお話を最後にしました。
 
この栗剪定士制度の取り組みは、以前にもお話ししましたが、剪定作業を受託することが目的ではありません。
 
あくまで、地域特産の栗を「技術と人間性と情熱」を備えた素晴らしい農業者で、さらに振興していくことが目的であり、そういった自主的な活動が、地域で行われやすいように外部から認定する取り組みです。
 
いわば、外側から指導するのではなく、産地の内面から指導する体制づくりです。
 
聞かれていた関係機関の課長も腕を組まれ、うなずき始められました・・・・関係機関の役割も少し理解されはじめてきました・・・。
 
そして、最後に
 
「ブランドとは、みんなが地域で取り組んでブランドになる・・・」
 
と締めくくりました。
 
(いつの間にか、みんなの姿勢を見ながら、話すのではなく、問いかけていました・・)
 
この大会で最も良かったのは、生活協同組合の専務理事が出席されていたことです。
 
大会終了後、「とてもいいお話でした。産地づくりって、ご苦労が多いのですね。是非、次もお話を聞かせてください・・・」と言われました。
 
このとき、産地というのは、生産者と消費者の互いの努力から生まれるのだな・・・と思いました。そして、このことを感じたとき、今日の大会全てが、心の底から「よかった」と思いました。
 
関係機関の連携、しっかりとした生産者組織、個々の生産者意識の高まり、そして、何よりも、みんなでひとつの目標を持つことが大切ですね。
 
目標:「収量200kg、2L率50%、「銀寄」50%」
 
 
1時間のお話が30分になり、少し焦りました・・・。
時間内に話す・・・難しいけれど、常に練習ですね
 
 
2月16日

実証ほ成績検討会

今日は、果樹の実証ほ成績検討会。

 

今日、感じたことは・・・。

高品質に向けた果樹栽培技術の実証ほ11カ所の成績検討会でした。

3年間の取りまとめということもあり、これまでの取り組みがどうまとまるか・・・といった興味もありました。

一番感じたのは、やはり、「実証ほ」とは何か?と言ういうことでした。

成績検討会の最後のまとめとして、

農業普及事典http://www.ei-net.ne.jp/gakkai/fukyujiten.htm

の中の一部を紹介しました。(といいつつ、私が書いた部分ですが・・・)

 

「実証ほとは、農家・集団自らが開発、工夫した技術や試験研究機関等で開発した新技術等を現地の圃場を使って再現、実証する場。(中略)①現地確認の場②改良普及員自らの研修の場③農家の集団思考の場。(後略)」

 

さらに、展示効果を高めるポイントも読んだ。

①綿密な計画

②担当農家だけでなく、地域や集団、関係機関が参画できる

③標示板を立てる

④運営管理において、適切な規模になるようにする

⑤巡回指導、検討会、講習会など検討会の場に活用する

⑥普及計画などに組み込み、計画的手段で行う

⑦見とどけと評価を行う

⑧栽培記録や成績を取りまとめ、結果の反省と検討を行う

 

皆さんには、すでに承知のことであったと思います。

 

でも、3年間取り組んできて、再度、このことを見ると、うまくいった、いかなかった、いずれにしても考えられるのではないかと思いました。

 

その成績の中で、3年間取り組んできたけれど、残念ながら、いい成績がでなかったものがありました。そして、そのことが考察に書かれていました。

 

一部の人からは、「その部分の考察を削除すれば・・・」といった意見もでました。

しかし、私は「いい成績書を作るのが「目的」ではありません。実証ほはあくまで「手段」であり、うまくいかなかったのなら、むしろそのことを正確に示し、農業者の方が失敗しないように役立てることが必要です」と言いました。

 

目的を明確に、そして、実施方法がきっちりとしており、正確な対照区を設け、条件設定や規模、調査方法を試験設計の中でうまくまとめ、計画に基づく活動の展開、そして、現場での見とどけと取りまとめ・・・反省、評価・・・。

普及活動の基本ですが、やはり取り組みに差が出てしまいます。

 

ただ、検討会終了後に、ある方から「果樹は、試験研究成果を現場で実証ほとして取り組み、その結果を検討しあえる、いい場があってうらやましい・・」と言われ、誉めていただきました。

 

私達は、事業として取り組んでいるようですが、本当の目的は、この方が言われるように、試験研究成果をうまく現場で活用し、農業者に役立てる「手段」としての実証ほということを忘れてはいけないと思いました。

 

「悪いデーターほど農家に役立つデータ-」

 

このことは、普及員の活動を支える大切な部分だと思います。

そして、農家サイドの視点で考察が書けること・・・・これが基本ですよね。

という私も、今のセクションにになって、やっとそう強く言えるようになってきましたが・・・。

 

1月12日

気づかせる

今日は、但馬で果樹の振興会議。その後、果樹病害虫のパンフレット打ち合わせ。
 
さて、今日、印象に残ったことは・・・。
 技術センターで普及員と研究員で、ある樹種に絞った振興対策の打ち合わせを行いました。
その樹種はこの15年間に100ha以上減少していて、減少率で49%と厳しい状態でした。
 それぞれの産地から、「産地」や「組織」、「技術」などの現状と課題、これからの振興方策を発表していたいただきました。午後は、それを黒板に書き、よく似たもの同士をあわせ、みんなで項目にしていきました。
 そして、それぞれの項目について重要だと思うことについて、一人3回手を挙げていただきました。
つまり、簡易なワークショップ形式を取りました。
 
 一番、これから振興するキーワードで多かったのは、「有望品種の導入」。そして、「受託組織の育成」、「高品質栽培技術の導入」・・・と続き、最後に「産地ビジョンづくり」でした。
 
 私は思わず進行しながら、言ってしまいました。
 
「病気を治すのは医者ではなく、病気は病人が治すものです」と・・。
 
 一番大切なのは、産地の人々が産地の問題点に気づいて、自分達のこととして取り組んでいくこと。つまり、「産地ビジョンづくり」といった外側から働きかけるのではなく、内側から気づかせること。その「気づき」によって、「有望品種の導入」が自らのこととして取り組まれると思います。
 
 その後の休憩時間、ある人が言いました。
「私達は、15年前の活気があった時の産地に戻そうとするのではなく、これから産地がどうあればいいのかを見つめさせることなんですね。」
 思わず、「今日の一言だ」と思いました。
 
 つい、専門技術の指導となると「教えよう」としますが、その前にまず、「教わろう」とする相手の意欲や興味を高めることが必要ですよね。それを忘れないようにしよう。
 
「病気は病人が治す」
 
1月7日

栗の温湯処理

今日は、残務整理ではなく、来週からの調査研究の準備をしました。
 
今、調査研究では、栗の温湯処理について取り組んでいます。
世界的に臭化メチルの使用が事実上できなくなっています。このため、栗ではこれまで、臭化メチルで薫蒸して殺虫していました。しかし、使えないので、これからは、収穫時にすでに鬼皮と果実の間に産み付けられたクリシギゾウムシをどう殺虫するかが大きな課題です。
 
冷凍したり、ドライアイスを用いたり、炭酸ガス処理などいろいろなことが国や各県の試験場で行われてきましたが、今、注目されているのは、ヨウ化メチルの使用と温湯の利用です。
ヨウ化メチルは、これから登録されていきますが、やや使いにくくなっています。一方、温湯処理は兵庫県が開発した技術で、60℃の温湯に30分間漬けます。この処理で、虫が死ぬだけでなく、冷蔵中の病気も発生しなくなります。そして、これに対応した機械は商品化されています。
 
この技術を開発したのは、実は農家の方です
古くから、丹波地方では栗を保存するために熱湯に1分間つけてたんです。
 
これを、虫が死ぬ。鬼皮の色が変わらない。果肉の色が変わらない。その栗を播いたら芽がでてくる。その温度方法を理論的に見つけだしたのが試験研究だったんですね。
 
そうなれば、すでに水稲の種籾消毒で用いられている温湯処理機を使おうと言うことになりました。
昔の人は、昆虫などのタンパク質が分解する温度が48℃以上とかいった難しいことはわからなくても、普段の生活の中の思考錯誤から、見つけだされていたんです。そして、そのことを子から孫へと伝承されてきてるんですよね。
 
そんな中で、私は温湯処理後の栗の食味や品質、成分を現場に応じたいろいろな条件で調べています。来週は、処理3ケ月後の調査です。
 
今の科学は、そういった先人の知恵から教えられ、究明していくことが多くあります。
しかし、最近では、急速に科学や機械化、デジタル化が進み、本当の昔から伝承されてきたものが軽んじられ、これまで行われてきたお年寄りから若者への伝承といったものが、なくなりかけているように思います。
 
先日の新聞に
「うちの子は給食代を払っているのに、なぜ食べるときに「戴きます」と言わないといけないのか!」と学校に抗議する親がいる・・・」と書かれていました。
 
このような世知がない世の中の中で、植物や動物を育てる農業は、単にものを機械的に育てるだけではなく、育てる過程の中で喜びや苦しみから、人を敬う大切さ。常に暖かい心。そんな「心」も育てる産業として大きな役割が果たせるようになって欲しいと思います。そして、次の世代へきっちりとつなげていける農業が大切だと思います。
 
「温故知新」
 
 
 
12月7日

ブルーベリー

今日は、姫路市と宍粟市のブルーベリー栽培を見学しました。
 
姫路市の園は、バックカルチャー方式と言う方式で栽培されていました。
ここは、今年の夏の干ばつで井戸水がなくなり、多く枯れていて残念でした。
一方、宍粟市の園は、同じ平成15年植ですが、大きくなっていました。
 
忘れないため、復習します。
 
今日学んだ栽培ポイントは、①3年生の大苗を植えている。②ピートモスを根の周りに使っている ③夏の潅水が十分に行われていることでした。
 
次に、剪定では、①来年結実する細かな枝の間引きを行い、日当たりをよくする ②主枝になる枝を決め、それに邪魔な枝(シュート)を除去する ③一年遅れで結実する部分を残すため、シュートの上部を切り返すことでした。
 
私も、少し剪定の練習をしました。
来年、両方の園とも、たくさん結実して欲しいものです。
そんな中で、すでに来年の花のつぼみが膨らんでいるものを見つけました。
 
「春咲くばかりが花にあらず 人知れず冬咲く花の暖かさ」